現在と未来に最も大切にしたい体の部分で、「血管内皮」があります。血管の内側の面ですね。
加齢に伴う血管の硬化(動脈硬化)は、多くの要因が複雑に絡み合った結果として生じてきます。主なものだけですが見てみます。
1. 内皮機能の低下・・・一個目に来ましたね。
内皮細胞の劣化:血管内皮は血管の内側を覆っている細胞層のことを言いますが、加齢によってこの内皮細胞が劣化し、血管の柔軟性が低下していきます。
酸化ストレス:加齢に伴い、体内の酸化ストレスが増加し、内皮細胞にもダメージを与えます。
2. コラーゲンとエラスチンの変化
エラスチンの減少:血管の弾力性を保つために重要なエラスチンの量が減少して、血管が硬くなります。
コラーゲンの増加と交差結合:コラーゲンの量が増加し、さらにその交差結合が強化されることで、血管が硬くなります。(※加齢により、コラーゲン分子同士の交差結合が増加します。これにより、コラーゲンが硬化し、柔軟性が低下します。)
3. 動脈壁の肥厚
平滑筋細胞の増加:血管壁を構成する平滑筋細胞の増加と肥大が起こり、血管壁が厚くなり硬くなります。
4.慢性炎症
低度慢性炎症:加齢とともに体内で慢性的な炎症が進行し、血管の硬化を促進します。この炎症は内皮細胞にダメージを与え、動脈硬化を引き起こします。
5. 糖化最終生成物/Advanced Glycation End Products
(AGEs)の蓄積
AGEsの増加:糖化最終生成物が体内に蓄積すると、これが血管壁のコラーゲンと結びつき、血管を硬化させます。
6. ホルモンの変化
性ホルモンの減少:加齢に伴い、エストロゲンやテストステロンなどの性ホルモンの分泌が減少し、これが血管の弾力性に影響を与えます。
7. 生活習慣の影響
高血圧:持続的な高血圧は血管壁にストレスを与え、硬化を促進します。
喫煙とアルコール:喫煙や過度のアルコール摂取も血管に悪影響を及ぼします。
運動不足:運動不足は血管の健康に悪影響を与えます。
これらの要因が相互に作用して、加齢に伴う血管の硬化が進行します。血管の健康を維持するためには、バランスの取れた食事、定期的な運動、禁煙、適度な飲酒、ストレス管理、定期的な健康チェックなどが重要と言われています。なのですが、加齢と共にこの動脈硬化傾向は皆起こり得ることであり、1~7まではできれば意識していたいものです。血管は私たちの健康をつなぐ最重要組織ですね。
幹細胞やエクソソームの点滴は私たちのこの血管内皮にも働きかけていくことが期待されます。