これががん細胞の状況です。もともとは正常な細胞であり、私たちの体の一部です。いくつかの引き金によって一部の正常な細胞がバランスを欠いてしまいます。引き金になるものとは、加齢、ストレス、活性酸素の体内での増大、疲労過多、偏った食べ物や、寝不足の状況が続くなど様々な要素が絡み合って脆弱になっているどこかの細胞に影響が出てきてしまいます。その一部の細胞の中では、正常な細胞になっているために必要な2つの要素に変化が生じてきます。それが、「がん抑制遺伝子の減少」と「がん増殖遺伝子のストッパーが外れてくる現象」。
がん遺伝子治療は、この状況に陥り、暴走してしまっているがん細胞の中に、不足しているがん抑制遺伝子を補い、暴走を起こしているがん増殖遺伝子に抑制をかけていきます。これをがん細胞の中で行うわけです。この文章からのイメージで感じますように、がん細胞に対して強烈に攻撃を仕掛ける治療ではないのです。足りなくなっている要素を補い、その暴走してしまっている細胞が自然に消滅できる環境を整えて行く治療なのです。細胞の消滅と再生を行えるようにしてあげることで、がん細胞は消えていくという仕組みにあるわけです。ですので、体にも副作用がほぼ出ないのです。